顎関節症の治療ではまず最初に、保存的な治療法が用いられます。つまり顔面や顎、歯の構造に直接影響を及ぼす治療法は初期治療においては用いられません。 ほとんどの問題は時間の経過とともに消えていくと考えられるため、簡便な家庭療法(表1参照)が症状を和らげるのにまず推奨されます。 たとえば、柔らかいものを中心に食べるとか、冷温湿布をした後に顎の運動するとか、無理に口を大きく開けることを避けるといった方法です。
他の治療法としては、消炎鎮痛剤の短期間の使用があります。大抵の痛みはこれらの保存的な治療法で軽くなりますし、そうすれば平常通り口を開けられるようになり、 食事や会話時の不都合も無くなるでしょう。

(表1)
顎関節症のセルフケア
1. 顎の安静 :   ガム 、噛みしめ等の防止
2. 冷・温湿布 :   鎮静及び筋肉のリラクゼーション効果
3. ソフトダイエット :   柔らかいものを中心に食べる。顎への負担軽減

なお、場合によってはこれまで述べてきたような初期治療で症状が改善しないことがあります。正常な治癒期間を超えてもなお痛みを訴えるいわゆる慢性疼痛症の場合です。 その時はスプリント療法(整形的装置療法)を用い顎関節及びその周囲筋肉の緊張をとることで疼痛を軽減させ、下顎位の安定をはかることが目的です。 特に歯ぎしりやくいしばりなどがある場合はこのスプリント療法(写真1.2)が用いられます。

写真1 写真2

顎関節症の予防、改善には日常生活の過ごし方が大きく関わってきます。わが国のような先進工業国においては我々は多かれ少なかれ何らかのストレスと直面しながら日々生活しています。 まず、出来るだけ心身共にリラックスする時間を作りましょう。適度な運動等によって気分転換を図り、食事、睡眠をしっかり取るといった事を心がけて下さい。

顎関節症とは?  ||  顎関節症の原因   ||  顎関節症の治療