口の役割について
2011. 4.30



口の役割は、話すこと、表情を作ること、そして、食物の入り口という消化器官の一つという重要な役割を持っています。

歯は、生きていくのにどうしても必要とはいえないまでも、なければ、食べることにいろいろな制約が出て来ます。
だから歯だけを単独にとらえるのではなく、歯は口全体のはたらきの欠かせぬ要素と考えるべきでしょう。

〔1〕栄養摂取
 口の働きとしてまず第一に思い浮かべるのは、食べること飲むことで、体に必要な栄養や水分を摂取することがあげられます。咀嚼(噛む力)機能が低下すると、低栄養になったり胃腸障害を起こしてしまいます。咀嚼は、食物と唾液を混ぜ合わせることによって、嚥下(のみこみ)や消化吸収を助ける働きをしています。顎位が不安定な人は安定している人と比較して、食後に食べかすが多く残ってしまいます。そして、義歯を装着することになって、奥歯で安定して咬むことができ、咀嚼・嚥下しやすくなると同時に、誤嚥(誤って気管に入ってしまうこと)の防止にもなります。一方、口の中には多くの感覚受容器が存在しています。おいしいものをおいしいと感じ、満足感を得たり、また逆に、体に害のあるものや熱すぎて食べられないものを後続の消化器官に入れないなどの生体防御の役目も果たしています。
〔2〕脳の活性化
 よく咬むということは、学習や記憶などの脳の働きにも重要な影響を与えているといわれています。ある小学校で実施された咀嚼と知能に関する研究では、よく咬んで食べることによって知能の発育が促進されることが報告されています。また咬むことで脳の血流量が増加し、大脳皮質の活動が活発になり記憶や学習能力が向上したり、学習及び記憶を促進させる脳内化学物質の濃度が高まるという報告もあります。粉末食と固形食で飼育したマウスを使った実験では、固形食を咬んで育ったマウスの方が脳の老化が遅く、寿命も長かったという結果がでています。
〔3〕口から食べたい
 高齢者への欲求希望のアンケート調査で、食べることに関する欲求が高いことが報告されています。口から食べ、味覚を楽しむことによって、精神的な欲求が満たされているわけです。