治療後の知覚過敏について
2013. 9.29
むし歯が深かった時など、歯そのものの削除量が多かった場合に起こります。歯の神経はかなりデリケートでストレスをためこむという性質を持っています。むし歯になるとその神経はまずむし歯の原因となる細菌が出す酸によって化学的刺激を受け、次にその歯は、我々歯科医の手により削られます。削っている時に痛みを感じなかったとしても、それは麻酔がかかっているせいであり、実際には歯の神経に「削られる」という物理的刺激は伝わっているのです。
 私達が歯を削っている時には、必ず注水をしますがあれには確かに削りカスを洗い流すというような目的もあるのですが、第一の目的は削る時に出る摩擦熱を冷やすということなのです。そして使用する薬剤などによる化学的刺激など歯の神経は多くの刺激を受けることになります。その上金属をつめたり、かぶせたりした場合、それは天然歯質よりもはるかに熱の伝導率が高いため、急激に温度刺激を伝えます。以上のような理由が絡み合って、むし歯の深かった場合に治療後「しみる」という症状が出ることがあるのですが、そのような症状は数日から3ヶ月未満で消える場合がほとんどです。しかし、今までのむし歯菌による酸の刺激と治療による刺激に歯の神経自体が耐えきれず、歯髄炎(神経の炎症)を起こしたり、歯髄壊死(神経が死んだ状態)や歯髄壊疽(神経が死んで腐敗した状態)に移行していく場合があります。このような場合はたいてい最終的には自発痛(何もしていないのにでる痛み)を伴うようになり、神経を取ったり、根の治療が必要になってきます。そのためむし歯が深かったり範囲が広かった場合などは治療後も注意が必要で、その歯の神経がどのくらいの抵抗力があり、生活力があるかがかぎになります。浅いむし歯や範囲の狭いむし歯ではこのような治療後の心配はありません。早期発見、早期治療が大切なのはこのようなことからもいえるのです。