歯周病原菌について
2004. 6.18
歯周病原菌について

歯周病は感染症です。私達の口腔内には300種以上の細菌が存在しますが、歯周病の原因と考えられるのは10〜30種類程度です。これらの細菌が悪さをするには、そのすみかとなる細菌性プラーク(バイオフィルム)が必要です。形成初期は、そのなかにグラム陽性の球菌など、歯周組織に対して悪さをしない比較的善玉の菌が多く存在します。しかし一週間ばかり放っておいてプラークが成熟すると、グラム陰性の嫌気性桿菌やスピロヘータなどが増えてきます。これらの菌は、毒性を有し歯周組織に対して攻撃的な歯周病原菌と呼ばれるものたちです。

おもな歯周病原菌


若年性歯周炎の原因菌として考えられている歯周病原性細菌。小さな球形に近い、非運動性、非芽胞産生性、糖分解性、好二酸化炭素性、通性嫌気性、グラム陰性の両端の丸い桿菌。A.a菌の病原性としては、ロイコトキシンという白血球に対する毒性が特徴的であり、ロイコトキシンによって歯周組織破壊の防御に重要な役割を示す局所の多形核白血球を破壊する。

成人性歯周炎の原因菌としてもっとも有力な歯周病原細菌である。グラム陰性の嫌気性桿菌で、インドールやアンモニアなどを産生し、非常に強い悪臭を発する。P.g菌はトリプシン様活性、コラーゲン活性など蛋白分解活性を有し、歯周炎における膿瘍などの炎症にかかわっている。深い歯周ポケットにおいて高い割合で存在することが多い。

グラム陰性、非運動性、初期には球菌様を呈する嫌気性桿菌であるが、時間が経つと通例、先のとがった両端と膨れた中心部を示すようになる。B.f菌は歯肉炎や健康部位、または疾患の軽快した部位に比べ、歯周組織破壊の激しい部位での検出率が高い。また、表在性や非活動性の病巣よりも、深在性で活動性の歯周病病巣で顕著である。難治性歯周炎の指標として重要な菌種である。

口腔スピロヘータでらせん状の運動性の特徴的な菌である。健常者のプラークからは、ほとんどスピロヘータが観察されないのに対し、歯周炎患者の深い歯周ポケットからは高い割合で検出される。T.d菌は嫌気性でトリプシン様活性を有する。また運動性を有することから、歯周病巣組織内への侵入やP.g菌などT.d菌に付着した細菌の他の部位への伝播を起こす可能性も考えられる。

黒色色素産生バクテロイデス属に入り、進行した歯周炎患者のポケットから、しばしば多数のP.g菌と一緒に検出され、単独で存在することは稀である。歯肉炎患者および健康な歯周組織を持つ人の半数以上に存在している。