なぜインプラントにチタンが選ばれるのか?
2007. 5.31
なぜインプラントにチタンが選ばれるのか?

現在までの歴史を振り返ってみると、コバルト・クロム合金、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、リン酸カルシウム系セラミックス(ハイドロキシアパタイトなど)、アルミナ、などさまざまなものがインプラントの材料として使用されてきました。

チタンは、生体内には存在しない物質で、化学記号Ti、原子番号22、原子量47.9、比重4.75で、自然界には砂鉄中に多く含まれています。このようなチタンは、生物学的安定性、化学的安定性(耐蝕性)、及び力学的安定性に優れています。

生体に害を及ぼさない金属はチタンだけではなく、金などもそうです。
しかし、インプラント治療における金属材料に求められる性質は為害作用がないということだけではなく、生体への親和性(細胞に好まれる)や、優れた耐蝕性、耐磨耗性などの機能的な性質も必要とされます。

最近のインプラントで用いられる純チタンは、表面に強固な酸化膜ができることでチタンを保護するとともに、チタン表面のチタン酸化膜を介して、その層と組織が結合する状態を作り出すと言われます。
チタンの耐酸性は白金や金に次ぐもので、それは強固な不動態被膜に起因します。この薄膜は表面が傷ついても瞬時に再生するため、安定性を保つと考えられています。
金属イオンとして溶出することも少なく、アレルギーを起しにくいのもそのためと考えられます。
更に、チタンは軽量で高い硬度をもっており、咬合力を受け止める機能的強度があります。その反面、切削などの機械的な加工は一般的には難しい金属とされていますが、技術の進歩にともなって、現在では良好な精度をもった製品が安定して供給されています。

チタンは大変身近な金属です。他に、人工関節、ピアス、フライパンやゴルフクラブ、更にはUVカット製品にも酸化チタンが使用されています。

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