唾液の働き
2004. 5.25
唾液の働き
 唾液は通常、健康な人で1〜1.5リットル分泌され口腔内を潤った状態にしています。pHの正常範囲は約6.8〜7.4で通常中性であり、比重は1.000〜1.020となっています。全唾液中の99%以上が水分であり、そのほかに約0.2%がカルシウム、リン酸、フッ化物、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、塩素などの無機質で約0.3%がタンパク質、尿素などの有機質、さらに0.1%が剥離上皮細胞、白血球、赤血球、微生物となっています。私達が無意識に行っている「食べること、しゃべること」など唾液は大切な役割を果たしています。一番よく知られているのはご飯やパンなどのでんぷん質を唾液中の酵素であるアミラーゼが分解して吸収しやすくする消化作用、味物質を溶解して味覚を促進させる溶解作用、食べかすを洗い流す洗浄作用、発音や会話をスムーズにする円滑作用などがあります。またその他に唾液中の特殊なタンパクはリン酸とカルシウムをいつも飽和状態になるように維持し歯の表層に起こるごく初期のむし歯を自然に修復するように働いています。また、唾液は酸性の食物などによりpHが下がり歯が溶解しやすくなってもまたpHを元に戻そうとする緩衝作用、唾液中の抗菌作用を有するタンパクも存在し病原微生物に抵抗する作用もあります。それから義歯を口腔内でよりよく使用するためにも唾液が必須です。

唾液の分泌場所
 唾液は左右両側に一対ずつ存在する耳下腺、顎下腺、舌下腺の三大唾液腺から主に分泌され、このほかには多数の小唾液腺からの分泌物および歯肉溝滲出液などが口腔内で混合され、全唾液(混合唾液)を構成しています。

耳下腺:最も大きい腺で、頬の皮膚のすぐ下で後端から耳のし たあたりにあります。
顎下腺:耳下腺の半分ぐらいの大きさで下顎の骨の内側で、口腔底の下にあります。
舌下腺:3つの腺の中でも最小で、顎下腺の20%くらいの大き さです。口腔底のすぐ下にあり、顎下腺の開口部の近くにあります。


唾液とう蝕・歯周病との関係
 う蝕と歯周病は細菌バイオフィルム感染症であり、生活習慣病 であり、そして遺伝子病でもあると考えられています。唾液は歯および歯周組織や口腔粘膜を防御し、口腔内の細菌や微生物に対して大きな影響を与えています。唾液の生理機能の一つである抗菌因子が口腔内の病原性微生物に対して抑制的に作用し、う蝕や歯周病を抑える要因になります。
また、唾液の緩衝作用も抗う蝕要因です。