妊婦に見られる歯肉炎の特徴
2015. 6.30
妊婦に見られる歯肉炎の特徴

以前、妊娠中の女性のお口の中について掲載しましたが
特に多く見られる歯肉炎について詳しく解説したいと思います。

一般的には妊娠性歯肉炎といわれてますが、日本歯周病学会では、妊婦すべてに
認められるわけではないので、妊娠関連歯肉炎と分類しています。
発生頻度は報告によってさまざまですが、30〜100%とされています。

前歯部に多く発症する傾向がありますが、臼歯部にも認められます。
妊娠中期、つまり妊娠16週あたりから悪化しやすい傾向にあります。

<歯肉の状態>
単に発赤が認められるだけではなく、歯間部の歯肉を中心に腫脹、増殖する傾向
が強いのが特徴です。

<なぜ歯肉炎になりやすいのか>
これには女性ホルモンが大きく関わってくるといわれており、特にエストロゲンという女性ホルモンがある特定の歯周病原細菌の増殖を促すこと、
また、歯肉を形作る細胞がエストロゲンの標的となることが知られています。
そのほか、プロゲステロンというホルモンは炎症の元であるプロスタグランジンを刺激します。

これらのホルモンは妊娠終期には月経時の10〜30倍になるといわれており、このため妊娠中期から後期にかけて妊娠性歯肉炎が起こりやすくなるのです。
ただ、基本的には歯垢が残存しない清潔な口の中では起こらないか、起こっても軽度ですみますので、
妊娠中は特に気をつけてプラークコントロールを行いましょう。 油断すると出産後に本格的な歯周病に移行する場合もありますので、注意が必要です。

また、まれに妊娠性エプーリスという良性腫瘍ができる場合もありますので、その場合はお早めに受診してください。