咬合性外傷とは
2005. 3.31
咬合性外傷とは
咬合性外傷は過度な咬合力によって引き起こされた歯周組織の外傷であり、プラーク(歯垢)によって引き起こされる歯肉炎や歯周炎とは異なった歯周病変になります。咬合性外傷を引き起こす原因となる咬合を外傷性咬合と呼びその代表は早期接触(咬んだ時にその歯だけに早くあたってしまう)、歯ぎしり、側方圧(歯への横からの圧力)、舌と口唇の悪習癖、食片圧入などがあります。
また、咬合性外傷では力が加わった側の歯根膜に外傷性の炎症反応と、楔状骨欠損(くさび状に骨が吸収する)と呼ばれる斜め方向の歯槽骨の吸収がみられます。これはかみ合わせの強い状態から歯が逃れるために骨を吸収して移動するために起きます。


一方向のみの力、例えば右の図で黄色またはピンクのみであれば矯正型(矯正治療時にみられる)の外傷となりますが、口腔内では対合歯と強く当たって動かされ、頬や舌の力によって戻されるというようなゆさぶり型の力が加わります。よって咬合性外傷の骨吸収の特徴としては、骨の厚みがあるところでは楔状骨欠損となりますが傾斜の力が加わるために歯肉側の骨のみならず根の先の骨も吸収します。(下図)






歯周炎と根の先の病巣が併発している場合にも同様のレントゲン像にみえることもありますが、生活歯で楔状骨欠損と根の先の骨吸収が認められないなら明らかに咬合性外傷です。

○咬合性外傷に対する処置
  歯周病と併発している場合は歯周病の治療がメインになりますが、まず以下のような処置をします。
1、咬合の異常に対する咬合調整
  咬合調整は無理な咬合力が歯に伝わることにより、歯に傷害を与え増悪させる異常     
な咬合力を取り除くことを目的とします。これにより歯は逃れる必要がなくなり、吸収していた骨も再形成されます。
2、動揺歯の連結固定
  動いている歯と周囲の歯を連結固定することで動揺歯に加わる咬合力を分散し、患歯の安静と共に咀嚼機能障害の回復を図ります。



ワイヤーやレジンなどで歯を連結し動きを抑える。