インプラントの歴史について
2008. 9.29
インプラントの歴史
インプラントは近代的な歯科治療とのイメージが強いですが、実は紀元前の昔から歯科治療としてインプラントが試みられていたことが古代遺跡から発見されています。

古代エジプトでは、装飾品としてか、また来世で不自由なく噛めることを願ってからか、死者に対し、歯の抜けた穴に象牙や宝石などを埋め込んで埋葬していたそうです。

現在、人類の歴史上最も古いとされるインプラントは、トルコで発見された石製のインプラントで、なんと紀元前550年頃のものだといいます。ただし、このインプラントは、実際に歯の代わりとして機能出来ていたかは疑問で、儀式などの為だけに使われていたのかも分かりません。

紀元600年頃には、メキシコ南東部で栄えた古代マヤ文明において真珠貝製のインプラントが使われていたことが分かっています。高度な建築技術や暦、計算術を持っていたマヤ文明らしく、インプラントが生前に口腔内で機能していたことも遺跡の調査によって判明しているようです。これが現在発見されている中で有効性が確認されている最古のインプラントとされています。




その後、鉄、金、エメラルド、サファイヤ、ステンレスにアルミニウムなどがためされましたが、どれも満足のいくものではありませんでした。というのは、長期にわたり自分の歯のように噛めるようなインプラントはなかったのです。それはインプラントと骨がしっかりと結合しなかったからです。
1940年代に骨と粘膜の間にフレームを入れる「骨膜下インプラント」という方法が考案されましたが、現在はほとんど用いられていません。

1952年にインプラントの歴史にとって忘れることのできない発見があります。 現在のインプラント材料の主流になっている「チタン」の特性が、スウェーデンのブローネマルク教授によって発見されたのです。 その後、研究が進み、インプラントは飛躍的に発展しました。チタンは硬組織に対しても軟組織に対しても親和性の高い金属であるということが証明されました。つまり人間の体はチタンを味方だと認識する性質を持っているのです。
歯と骨と歯肉が共存するお口の中にとって、これはとても重要なことです。

現在では、インプラントの形状や表面の改良による性能の向上、骨の質・骨の量の不足を補う骨造成・骨移植の技術の進歩、歯科技工物の質の向上などによって、さらにインプラントの質は向上し、15年生存率90%以上ともいわれるまでになっています。