口腔組織の加齢的変化について
2005. 7.30
口腔組織では、全身の他の組織と同様に加齢による変化が起こってきますが、口腔組織の部位によっては、歯ブラシなどによる機械的因子、歯垢か歯石の沈着などによる炎症性因子、および咬み合わせの不調和などによる外傷性咬合因子等が加わるので、本当の意味での加齢による変化と上記の因子による変化とを区別するのは困難なこともあります。
1、 歯の変化
   エナメル質はもろくなり、透過性が減少してきます。これは無機質が増加し、有機質が減少することによります。また色調は黒味を帯びてきます。さらに咬耗によりエナメル質の量もしだいに減少してきます。象牙質は第二象牙質の形成が進行するために量的に増加します。そのために歯髄腔はしだいに狭くなります。また、象牙細管には石灰化が生じて象牙質は全体的に透明化してきます。特にこの変化は歯根部で著明になります。象牙質でも無機質が増加し有機質が減少するために、象牙質ももろくなってきます。
2、 歯肉の変化
   歯肉では歯肉上皮は薄くなり、歯肉縁の退縮が生じますが、この変化は歯肉の炎症によることもあり、加齢による変化との区別は困難になります。

 上記の機械的因子や、炎症性因子、外傷性咬合因子と加齢による変化が加わることでいっそう歯周組織の破壌が進行し、歯を失う原因になりますので、老後を快適に過ごしていくためにも、口腔の管理はしっかりとしていかなければなりません。
歯を含めた口腔の機能は、食べ物を噛み砕いたり飲み込んだり、味覚を感じたり、言葉の発音や呼吸などにも関わっているのでなおさら気をつけたいものです。そして口腔は、細菌やウイルスなどに感染する際の経路でもあるので、口腔の機能を十分に保つことは、食事を楽しむだけではなく、全身の健康の保持や快適な社会生活を営む上でも大変大切な事といえるのです。