『深いポッケットがある場合のクリーニングって?』
2006. 1.31
歯周病の治療(歯ぐきの検査・歯の大掃除・歯ぐきの再検査・炎症が残っているところの再治療)が一段落したら、メインテナンス期間になります。歯周病の予防・進行抑制のために定期的に歯科医院でのクリーニングを続けることはとても有効です。歯周病の検査時に5〜6mmの深いポケットが残存していてそのままメインテナンスに入ることもあります。その場合の、患者さん自身が管理する範囲を図1に示しています。歯周ポッケトの深いところまで無理に毛先を押し当てる必要はありません。表面から見える範囲をしっかりケアして頂けばいいのです。(歯肉縁上プラークコントロールの徹底)




図1   患者さんの自己管理範囲と細菌

歯科医院でのメインテナンスは、エアースケーラー(写真1)という器械をパワーダウンして使っています。この器具は超音波のスケーラーより10分の1程度のパワーで、音も小さく歯面に対するダメージも少なくてすみます。また、エアースケーラーの先に小さなブラシをつけ注水下でクリーニングすることもあります(写真2・SUSブラシ)。SUSブラシの特徴は、毛先が溝の中1〜2mmまで入りこんで注水しながら清掃し歯周組織には損傷をあたえずポケット内のバイオフイルム破壊に適しています。ほとんど痛みは感じません。月に数回来院される高齢の患者さんには超音波ブラシやハンドブラシを使ってクリーニングすることもあります。
歯周病メインテナンスの目的は、細菌の量あるいは質を炎症の起こらない範囲内にすることです。
治療後によく『気持ちよかった』『すっきりした』という言葉を患者さんからいただきます。


写真1 エアースケーラー


写真2 SUSブラシ使用エアースケーラー


まとめ
日本のメインテナンス率は2パーセントと最近の歯科雑誌にでていました。10年前から歯の喪失原因第一位は虫歯に換わって歯周病になりました。各年代別歯の喪失原因を図2に示しています。



図2 歯の喪失原因(野田忠編薯より引用)

深い歯周ポケットのケアをして細菌が一時的に減っても4〜8週間もするとまた悪さをする(炎症を引き起こす)細菌が増えているのです(文献によっては12週後というのもあります)。歯周ポケットが7mm以上あるところは、歯周ポケットが3mm以下の浅いところに比較して細菌の活動性が7倍も高いのですから、『歯周ポケットがまだ深いところがある方・ブラッシングに自信がない方・健康な方=全ての方』、全身疾患予防のためにもしっかり定期的な歯科医院でのクリーニングを心がけましょう。


  治療費用について・・・おまけ
歯周病のメインテナンスは、歯周病学会でも【歯周サポート治療・Supportive Periodontal Therapy (SPT)】として位置づけられ重要な治療期間であるとされています。その治療は保険適用ですから3割負担で『740円』70歳以上老人保健適用1割負担で『250円』です。治療間隔は、1ヶ月・2ヶ月・3ヶ月・6ヶ月と個々の状態により変わります。