歯周病患者へのインプラント治療の利点とリスクについて
2013.11.25
歯周病患者へのインプラント治療の利点とリスクについて

歯周病の進行により歯の欠損を伴う場合には、残存歯は欠損補綴装置の維持歯として十分は機能が果たせない場合が多い。

このような場合に骨に直接支持を求めるインプラント治療は、歯周病患者における機能回復という観点から大きな利点となる。顎骨に支持された強固な欠損補綴装置、支台歯や維持歯に対する補綴的な負担の軽減、咬合の安定、補綴処置に伴う天然歯削合の回避、咀嚼効率の向上及び審美的な改善など得られる。
しかし、有歯顎患者でインプラント治療が失敗した症例のインプラント周囲細菌叢を調べた報告では、グラム陰性菌やスピロヘータ―などの細菌の比率が高い事が示されている。そのため、インプラント埋入手術を行う前に口腔内から歯周病原細菌を可能なかぎり減らしておく必要がある。また、一度歯周治療によって改善した細菌叢もその後のプラークコントロールの状態によっては変化する可能性があるので、定期的なメインテナンスが必要となってくる。

歯周病患者のもつリスクファクター
○ 歯周病原細菌の存在
○ 病因・宿主・環境などの歯周病リスクファクターの存在
○ 骨欠損や根分岐部病変の存在
○ 残存歯の予後が不確実
○ 欠損部骨量の不足
○ 軟組織レベルの低下

インプラント治療へのリスク
○ 同一口腔内(残存歯)からの交叉感染
○ 同一個体であるため、歯周病と同様のリスクファクターが存在
○ インプラントへの感染の波及
○ インプラント埋入位置の制限
○ 審美的インプラント治療やプラークコントロールの困難化

日本歯周病学会 歯周病患者におけるインプラント治療の指針2008より参照