歯の外傷と救急処置
2005.12.27
打った、転んだ、交通事故にあった、スポーツでぶつかったなどにより歯牙の強い力が加わった場合、状態により脱臼、破折、歯の埋入、歯槽骨の骨折などをおこすことがあります。歯の外傷は直後の対応によりその後の歯の状態が変わってきます。

歯が折れたとき(歯牙破折)
外傷により歯が破折したときはすぐに歯科に行くことが大切です。
歯の折れた部位を正確に診断するためにはX線検査が有効です。歯の折れた部位により歯を残せるか、抜歯する必要があるかの判定ができます。歯冠部のみが破折したときは、ほとんどの場合は修復できますが、歯冠部から歯根部にわたる破折または歯根部のみの破折の場合は修復できる場合とできない場合があります。

         歯根部破折              歯冠部破折

歯が抜け落ちたとき、歯がぐらぐらしたとき(歯の脱臼)
歯の根と歯槽骨の間にある歯根膜が大きな力で損傷し、歯の根が歯槽骨から離れた状態が脱臼です。
歯の根と歯槽骨が完全に離れた完全脱臼から、歯根膜が一部断裂し動く不完全脱臼の状態(ぐらぐらする)まであります。外傷によって歯がぐらぐらになったときは、歯肉から出血を伴っていることが多いので、清潔なガーゼや綿花でおさえて止血をはかりながら歯科医院に行きます。歯が抜けかけているときはその歯を元の位置に戻して、周囲の歯を利用して固定することにより生着します。
外傷によって歯が抜け落ちたとき(完全脱臼)は、その歯を持ってすぐに歯科に行くことが需要です。場合によっては抜け落ちた歯を元の位置に戻すことが出来ます(歯の再植)。その際は次のようなことを行なうことが重要です。


○抜けた歯は根の損傷を最小限にするために、頭(歯冠部)のほうを持つこと。



○出来るなら歯を元に位置に差し戻すか、元の位置においてゆっくりと口を閉じる。


○汚れていたら水で静かに洗う
* 歯の根に触らないように注意する。
* 石鹸や洗剤などは使用しない。
* 歯を拭かない。


○歯を湿った状態にしておく。歯を元に戻せない時は
*口の中に
* 牛乳の中に
* 生理的食塩水(0.9%)などを使用する


○出来るだけ早く歯科医院に行く。
*理想的には30分以内に。30分以上、脱落歯を放置する と歯根膜細胞が変性して、後日、根吸収の原因になります。

骨折・埋入
力がかかる方向により、歯が骨の中にめり込むのが埋入です。またあまりに大きな力がかかると歯槽骨や顔面の骨が折れることがあります。歯自体にも脱落や破折、不完全脱臼などが起こり痛みによる発音障害や、咀嚼障害が起こることもあります。歯の外傷としてはかなり重症のものなので、出来るだけ早く受診することが必要です。