智歯周囲炎について
2006. 2.26
20歳前後に一番奥に生えてくる第3大臼歯のことを「智歯(ちし)」といい、「親知らず」とも呼ばれています。現代人の顎は小さくなってきているために、最後に生える親知らずのための十分なスペースがなくなってしまうことが多くなっています。その結果、やむを得ず頬の方や口の内側の方に生えたり、前の歯を押しながら生えたり、歯の一部しか顔を出さないことがあり、また歯があっても顎の骨の中に埋まったままで口の中に出てこないこともあります。このように親知らずは一番奥に不規則に生えているためにブラッシングがしにくく、周りの歯肉が歯冠部を覆っているので歯と歯肉の間に深い隙間ができてしまうため、そこに食べかすや口の中の細菌が入り細菌が繁殖すると炎症を引き起こします。
また、親知らずの周囲の歯肉粘膜は疎性結合組織が多く炎症が拡大しやすいという特徴があります。智歯周囲炎の初期症状では親知らずの周囲の歯肉が腫れて食事の時などに痛む程度ですが、それが進むと口が開けにくくなったり、耳のところまで痛みが広がったり飲み込むのも痛みが出ることがあります。また、熱が出ることもあります。
口を開いても親知らずがほとんど見えないこともありますが、X線写真を撮ると親知らずがあるか、どのような状態で生えているかがわかります。

予防としては日頃から口腔内を清潔に保つことが大切ですが、炎症を起こした場合は歯肉の隙間を洗浄し細菌数を減少させることが必要です。炎症がひどい場合は抗生物質や消炎鎮痛剤を使用します。同じような痛みを何度も繰り返すような場合は、痛みや急性症状が治まってから抜いたほうが良いと思われます。