『介護予防と歯科衛生士の役割』―元気老人増やしますー
2006. 5.31
はじめに
平成18年4月より、介護保険制度が改定され要支援、要介護1の方への家事援助が廃止になりました。(介護保険制度は5年毎見直し)
介護保険制度が開始された平成12年の65歳以上人口は2、201万人平成14年には2、362万人平成37年には推定3、743万人と急増が予測されています。19年後には4人に1人が高齢者になるという計算です。介護保険の財政支出額も平成14年には5.1兆円、平成25年には20兆円と予測もあります。(厚生労働省)
介護保険制度の財政危機を避けるためにも介護保険認定者を少しでも少なくし健康な高齢者を増やすための『介護予防システム』となったようです。 高齢者が一生おいしく、楽しく、安全な食生活を営むために歯科衛生士もお手伝いしていきたいと思います。



介護予防とは・・・
介護予防とは、高齢者が介護を必要とする状態になるのを防いだり、現在介護を必要としている状態がこれ以上悪化しないようにすることをいいます。
要介護・要支援の増加に伴ない平成18年4月から予防重視型システムへの政策変換が行われました。
平成18年秋から介護予防サービススタートに伴ないその内容を紹介します。




対象者・・・A・65歳以上の全ての一般高齢者
B・要支援・要介護状態に陥るおそれの高い者(特定高齢者)      
C・新予防給付(要支援1.要支援2と認定されたもの)
      D・介護給付(要介護〜)デイサービス利用者

費用・・・ 対象者の状態により異なります

期間・・・ A・一般高齢者 1年に1回
BCD・ 3ヶ月間 2週に1回 (月1〜2回)
     
実施・・・A・保健センターや公民館、公園など気楽に集まれるところ
     B・水道設備のあるところ(地域包括支援センターにてプログラム) 
     C・介護予防通所介護・介護予防通所リハビリテーションにて
     D・介護施設

内容・・・@歯科保健の健康教育
     A口腔・義歯清掃法の指導・実施
     B摂食・嚥下機能訓練の指導・実施
     C個別サービス計画の作成

基本的サービス・・・口腔清掃の実施・口腔機能の向上のための訓練『健口体操』など

専門的サービス・・・味覚障害の予防法・歯ブラシ、舌ブラシの使用法・低栄養予防・気道感染予防・口腔乾燥の予防についてなど

セルフケアプログラム・・・本人あるいは家族による

担当職種・・・歯科衛生士・保健師・言語聴覚士・看護師  




まとめ
平成15年主な死因別死亡数の割合は表1に示しています。死亡原因の9.3パーセントを占る肺炎の重症化には心不全・肺疾患・腎不全・糖尿病等の基礎疾患が存在し繰り返す誤嚥(誤って食べ物や唾液が咽頭、肺に流入してしまうこと)が挙げられます。肺炎を発症した高齢者の多くは夜間睡眠中に唾液が下気道や肺に不顕性誤嚥(せきこみや咳がみられない誤嚥)を生じていることがわかっています。食事中の食べこぼしや食後のむせ、食後の痰のからみなどは、機能の低下のサインかもしれません。舌や頬の筋力をトレーニングすることにより改善する可能性があります。お口や入れ歯のケアをきちんとすることにより口臭が予防でき楽しく会話することができるようになります。


死因別死亡数の割合
  1.悪性新生物    30.5パーセント
  2.心疾患      15.7パーセント
  3.脳血管疾患    13.0パーセント
  4.肺炎       9.3パーセント
表1 厚生労働省ホームページ 人口動態統計(平成15年)


全身状態の悪化や風邪、気管支炎等の呼吸器感染を起こした時、又は、口の中の細菌が増えた時肺炎になります。インフルエンザの予防と口腔清掃についても以前アップしていますので参考にしてください。
介護が必要になった主な原因と対策は表2に示しています。


介護が必要になった原因と対策
転倒・骨折      転倒予防・筋力アップ
痴呆・引きこもり   社会交流
気道感染       口腔ケア
表2

秋からスタートの介護予防サービスは、利用者が各自ゴールを決め各専門スタッフによって目標達成のためのサービスが行われ、健康で生き生きした生活が送れることを目的にしたシステムです。ぜひ参加してください。集団で楽しめるように、とってもパワフルな歯科衛生士さんが待っています。




診療室では、全身ストレッチや舌体操の歌は歌えないので、唾液腺マッサージや口腔機能向上のお話、気道感染予防・口腔清掃の重要性などお話していきたいと思います。