酸蝕症とは?
2006. 9.26
虫歯でないのに歯の表面が溶けて軟らかくなったり、噛み合わせる歯が無いのに歯が磨り減ってきたりする事がありますが、その原因の一つに酸が考えられます。酸による歯の科学的溶解の事を酸蝕症といいます。
    <酸蝕症の原因>
●内因性
胃液が口腔内に逆流することにより歯を溶解する。通常は胃液が口腔内に逆流しないが過食症や拒食症、消化器系疾患や疾病、薬物、アルコールの作用による嘔吐により逆流する。
●外因性
食べ物(柑橘類 清涼飲料 酢)
酸性の内服薬(ビタミンK アスピリン 鉄錠)

○柑橘類
柑橘類には、ビタミンCをはじめとする豊富なビタミン、ミネラル、食物繊維が多く含まれています。健康に留意する人は、柑橘類をはじめとする酸性度の高い果物や野菜を好んで食する傾向があります。健康によいといわれている果物や野菜ですが、pHが低く健康的な食生活というものは、歯にとってはそれほど健康ではないようです。
果物と野菜のpH
りんご       2.9〜3.5    レモン ライム 1.8〜2.4
ぶどう       3.3〜4.5    オレンジ    2.8〜4.0
桃          3.1〜4.2   ブルーベリー  3.2〜3.6
グレープフルーツ3.0〜3.5     トマト      3.7〜4.7
            
(pHは溶液中の水素イオン濃度をいいます。口腔内は通常pH7の中性ですが飲食すると、急激にpH7以下の酸性になり、唾液の作用によりゆっくりと中性に戻ります。)
柑橘類を食べるのはいいのですが、一日何回も食べるのは歯にとっては良くありません。柑橘類を摂取した直後は酸により歯の表面のエナメル質が軟らかくなっています。この状態で歯磨きをすると歯が磨り減りやすいので、1時間ぐらいは待ってから歯磨きしたほうがいいようです。                                             
   
○清涼飲料水
食品由来の酸には、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、及びフタル酸などがあり、清涼飲料には、クエン酸かリン酸のどちらかが含まれています。クエン酸はリン酸に比べて酸蝕症を起こす能力が高いです。ジュースを飲むときに口の中に溜めて飲んだり、長い時間かけてちびちび飲むと歯面に与えるダメージが大きいです。一気に飲むのがいいようです。摂取時間によっても酸蝕症の危険は増すことがあります。特に子供では、寝る前に酸性飲料を飲むと唾液の分泌能が低下するので酸蝕症の危険が増します。哺乳瓶などで飲ませながら寝かすのは極力避けたほうがよいでしょう。体に良さそうな乳酸菌飲料や、スポーツ飲料、フレッシュジュースなどもpHが低いので、飲み方によっては、歯にとって良くない場合があります。摂取の仕方や時間にも気を付けましょう。
           

ある清涼飲料の成分です。レモンやリン酸が含まれています。酸蝕能が高いと思われます。