肺炎と歯磨きについて
2007. 2.28
日本人における死因は、ガン、心筋梗塞などの心臓病、脳卒中などの血管の病気に引き続いて、肺炎・気管支炎があげられます。この肺炎による死者は、年間10万人で死因の第四位をしめその死亡率は、年齢が上になるとその率も上昇し、90歳以上においては死因の第一位となってきます。また、肺炎と気管支炎によって死亡した人の95パーセントが65歳以上の高齢者で占められていることから、肺炎はお年寄りの病気であるといっても過言ではないでしょう。

それではこの肺炎・気管支炎と、歯磨きがどのような関係があるのか述べてみましょう。

口のなかは、普通36~37度くらいの温度を保っていて、唾液により湿っており、また食物の入り口であるためその残りカスがたまりやすい事から、いろいろな細菌の格好の住みかになっています。また、高齢者の場合、ほとんどの人が歯周病にかかっているので、より細菌の増えやすい環境になっています。また、歯科の治療により、ブリッジや義歯などが入っているためきれいに清掃することも難しくなっています。若いころには感じなかった口の中の渇きも唾液腺から出る唾液の量が減ってくるためです。唾液の量が減ってくると、それだけ口の中を洗い流す働きも落ち、また、細菌をやっつけるための唾液の成分も少なくなってきます。歯が一本も無い人においても、古い義歯を長年使っていると、義歯自体多くの細菌の住みかになっています。
老人性肺炎のうち、誤嚥(ごえん)性肺炎がよくみられますが、誤嚥とはわかりやすい言葉でいうと誤って飲み込むという意味です。何を飲み込むかといいますと、細菌の含まれた唾液や胃から逆流した胃液を多く指します。
高齢者の人では、嚥下反射(つまり食物などを飲み込む時の反射)や咳反射(つまり気道に何か入りそうになった時に咳をして外に出してしまおうという反射)が弱まってきて、気管に細菌が入りやすくなってきます。(最近のNHK「ためしてガッテン」で肺炎がテーマでしたが、その中でブラッシングにより歯ぐきを刺激すると、脳を活性化し反射スピードが早くなるといっていました。)
健康に生活を送っているときにはそれほど恐ろしいものではありませんが、他の病気などで体の抵抗力が落ち、寝込んだり、あるいは寝たきりの状態になってしまった時には、この誤嚥性肺炎が生死を分ける非常に大きな問題となってきます。このためにも、飲み込まれる唾液に含まれる細菌の量を少しでも減らすために、常日頃から口の中を清潔にしておく必要があるのです。もちろん、よく歯磨きをするということは、口の中の健康につながり、またそれが全身の健康につながるということはいうまでもありません。