骨粗しょう症と抜歯について
2008. 4.30
骨粗しょう症の代表的な治療薬「ビスフォスフォネート(BP)製剤」を使っている人で歯科治療後に顎骨が壊死するなどの副作用があることがわかってきました。薬と抜歯などの治療後の細菌感染が重なったのが原因と見られています。
国内では、高齢の女性を中心に骨粗しょう症患者は1000万人と推定され、100万人以上がBPを服用しているといわれています。

主なBP内服薬 フォサマック、ダイドロネル、ボナロン、アクトネル、ベネット

国内で販売されているBP製剤は、乳がんや前立腺がんの骨転移などに対する注射薬と、骨粗しょう症に対する経口薬があります。副作用で顎骨の壊死が起こることは2003年に米国で初めて報告され、日本でも、BP製剤の普及に伴い増えています。
大部分は注射薬で起きています。発生率は注射薬で0.88〜1.55%、経口薬では0.01〜0.04%程度です。しかし、投与中に抜歯など歯科治療が加わると10倍ほど増加します。

体内にはいったBPは、骨を壊す役割をもつ細胞(破骨細胞)の機能を抑え、骨の強度を高めます。しかし、骨の代謝を抑制しているため、この時期に抜歯などを行うと、周辺の骨の治りが悪く、骨髄炎や壊死を起こすと考えられています。
BPを使う時には、歯科治療は前もって行い、使用中も口腔内を清潔に保つことが大切です。歯の処置によっては、使用開始時期を遅らせるなどの配慮が必要です。使用中は、一般に抜歯、歯肉などを切除する歯周病治療、インプラント(人工歯根)の埋め込みなど外科的な処置は避けることが勧められています。顎骨の壊死がいったん起こると治りにくいので、治療前に主治医や歯科医とよく相談するようにして下さい。