フェルールと歯根破折について
2008. 5.31
フェルールとは、失活歯にクラウンを被せる際に、そのクラウンのマージンより歯冠側に残る健康な象牙質のことです。このフェルールによってもたらされる効果のことを「フェルールエフェクト:帯環効果」と言い、これには歯根破折を防ぐ効果があります。十分なフェルールエフェクトを得る為には、高さ2mm、幅1mm、歯の全周の75%以上のフェルールが必要だと考えられています。高さは不揃いよりも均一な方がいい様です。歯を失う原因のひとつに歯根破折がありますが、これをおこしてしまうと、抜歯か、破折部分を接着する一時的な対症療法、もしくは経過観察以外に治療法がありません。通常、歯根破折は、生活歯よりも圧倒的に失活歯に多く、その比率は約10:1となっています。そのため、咬合力の強い男性や、歯根破折の既往があり、歯ぎしり、くいしばりなどの咀嚼筋機能異常のある患者さんの場合には、特にそのリスクは高くなりナイトガードを夜間装着してもらうことになります。失活歯の場合は歯冠が崩壊していることが多いため、コアと呼ばれる土台を入れることになりますが、これが歯根破折の原因になっていることがあります。すなわち、強度の問題からフェルールの確保が不可欠となるのです。
これらのことから、失活歯でフェルールが無い場合は、歯根破折を起こす可能性が高くなるため、補綴治療をしても、将来抜歯になるリスクが高いということになります。そのため失活歯にならない為にも、日頃からの自己管理と定期検診および早期治療が大変重要になってくるのです。