摂食嚥下障害とは
2009. 8.31
 摂食とは口から食べ物を摂取する行動、嚥下とは食べ物を口から飲み込んで、胃の中まで送る一連の運動であり、“食物の認知” を行う先行期、“咀嚼” を行う準備期、その後の “飲み込み” を行う口腔期、咽頭期、食道期につながる一連の流れによって成立します。
摂食・嚥下障害ではこれら一連の過程の一部あるいは複数の過程が障害されます。
 摂食・嚥下の流れと摂食・嚥下障害
食物を認知する
食物の認知ができない : 認知症、視力障害 など
                 ( 先行期の障害 )

咀嚼を行う
咀嚼ができない : 多数歯の欠如、義歯の不適合、
             口腔周囲筋の麻痺、舌萎縮 など
             ( 準備期の障害 )

飲み込みを行う
飲み込みができない : 嚥下反射の消失、通過障害、
                咽頭の可動域の減少 など
             ( 口腔期・咽頭期・食道期の障害 )
 その他、食欲の低下(うつ病、うつ状態など)、食事動作に関連する上肢・体幹機能の低下などが、食事量の低下につながる場合があります。
摂食嚥下障害は、嚥下に関連する組織、器官(歯・舌・口唇・軟口蓋・咽頭・喉頭など)の器質的あるいは機能的障害を起こす様々な疾患により引き起こされます。
その他、精神疾患、加齢現象などでも引き起こされる可能性があります。

咽頭、喉頭、食道など局所の腫瘍・炎症性疾患
脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷、脳炎などに伴う中枢神経障害
パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などの変性疾患
ギランバレー症候群などの末梢神経障害
筋ジストロフィー、重症筋無力症などの神経筋疾患
肺炎などの呼吸器疾患
薬剤による副作用
認知症、うつ病、うつ状態
注意力障害などの高次脳機能障害
う歯、義歯の問題
頭頸部、食道の放射線治療の後遺症、手術後の障害
気管切開、挿管、手術後の後遺症
加齢に伴う変化
(唾液量の減少、味覚、粘膜の感覚障害。喉頭の解剖学的下降、可動性の低下など)