舌の働きについて
2009.12.31
 舌は、口腔内の下側(口腔底)にある筋肉でできた突起物です。尖端部を舌尖、後方部を舌根、舌尖と舌根の間を舌体と呼びます。この内、舌根は解剖学的には中咽頭に分類されます。表面は、口腔内と同様の粘膜で覆われています。最表層は、重層扁平上皮に覆われていますが、舌の下面以外は、舌乳頭と呼ばれる細かい突起が密集しており、細かい凸凹構造になっています。内部には、舌筋群と呼ばれる横紋筋が詰まっていて、骨はありません。

舌の主な働きは、次の三つです。

1、 嚥下機能
   舌の働きで口腔内で咀嚼(そしゃく)された食べ物を、舌の働きによってのどに
   送り込みます。舌の動きが悪くなると、飲み込みがうまくいかず、食物が喉頭から
   気管に誤燕しやすくなります。また、口腔内で食物を内側から支える働きも行って
   いるため、舌の働きは悪くなると咀嚼も上手くできなくなります。


2、 構音機能
   肺から押し出された空気が、喉頭にある声帯を通過するときに振動空気(喉頭原音)
   が形成されます。この咽頭原音が、咽頭・口腔(声道といい、成人で17cmある)で
   共鳴し音になります。人間は、舌口唇を動かすことにより、声道の形を変化させて、
   咽頭原音を様々に変え、言葉を作っています。したがって、舌の働きが悪くなると
   言葉の明瞭度が悪くなるという障害が起こります。


3、 味覚
   舌の表面はザラザラしていて、粒々が一面に並んでいます。この粒々を拡大してみ
   ると、花の蕾(つぼみ)のような形なので、「味蕾(みらい)」と呼んでいます。味
   を感じるのは、この味蕾のおかげなのです。
   味を感じるには、まず、食べ物が水に溶けなくてはなりません。口に入った食べ物
   が噛み砕かれて、唾液に混じって溶けると、溶けた食べ物が味蕾の先の小さな穴か
   ら入って、味を感じる細胞を刺激します。その刺激が神経を伝わって脳に送られ、
   味が分ります。
    すべての味は甘い、苦い、塩辛い、酸っぱいの四つの味から成り立っていますが、
   昔は甘味、苦味、塩味、酸味に対して別々の味蕾が反応すると考えられていました。
   そのため、甘味は舌の先、苦味は舌の奥、塩味と酸味は舌の両横が一番強く感じる 
   といわれ、甘い砂糖は舌の先で舐めるようにするのが良く、苦い薬は舌の奥に触れ 
   ないよう飲むのが良いとされました。
    しかし、最近の研究では、ひとつの味蕾が二種類以上の味に反応し、脳に信号を
  送っていることがわかってきました。また、味蕾は舌だけでなく、口腔内の広範囲
  にあり味を感じることができるのです。