歯根嚢胞
2010. 2.28
体の中に病的に作られた袋状のものを嚢胞と呼び、歯の炎症が原因で歯根の先にできた嚢胞を歯根嚢胞といいます。袋の中は液体や半液体状のものがたまっています。原因はむし歯によることが多く、進行すると歯の神経が壊死し、顎骨中の根の先に嚢胞が形成されます。そのほか過去に根管治療(根の治療)を行っていても細菌感染を起こしできる場合もあります。歯根嚢胞は顎にできる嚢胞の中で最も高い頻度で発生します。

痛みなどの症状がなく、多くの場合レントゲンを撮影した際に偶然発見されます。ただし二次的に感染すると、歯の痛みや咬合時痛、歯肉の腫れや痛みを伴い、歯肉に瘻孔(膿の出口)をつくることもあります。放置すると、徐々に大きくなって歯並びの異常や顎の骨をとかし、顎骨の膨隆、歯根の吸収、歯の動揺がみられます。
レントゲン写真で、原因歯の根尖部に境界のはっきりした円形の透過像(黒い像)がみられます。

一般的な治療法
嚢胞が小さい場合には、根管治療(根の中の死んだ神経や汚れた歯質を除去し、消毒薬を入れる)のみで治癒することもありますが、根管治療で病巣が治らなかったり嚢胞が大きい場合には嚢胞の摘出術が必要です。原因歯は歯の動揺が著しい時や嚢胞の大きさが根の長さの2/3以上などの場合には抜歯しますが、抜歯しないで嚢胞内にある根の先だけ切除する歯根端切除術を行い歯を保存することもあります。嚢胞内に含まれる原因歯の隣接歯も神経が死んでいる場合もあるので、電気歯髄検査を行い反応がなければ根管治療を行うなど、原因歯と同様な処置を行います。

抜歯した歯と摘出した嚢胞