口の中の変色
2010. 3.31
口の中に現れる変色
口の中のさまざまな部位でよくみられる白色の変化は、そのほとんどが単なる食べもののかすで、ふき取るだけで取り除くことができます。しかし、口腔癌の初期徴候で白色の変化が起きている場合もあります。その他の白色変化には、白い海綿状の斑点が現れる白色海綿母斑と呼ばれる遺伝性の異常、歯の反対側の歯肉に沿ってできる白い線(白線)、粘膜に発生する灰白色の病変(白色水腫)などがあります。

歯の充てん物のアマルガム、ほくろによって、口に暗紫色や黒色の変化が現れることがあります。タバコを多く吸うヘビースモーカーの歯には、「喫煙者のメラニン沈着」と呼ばれる濃褐色や黒色の変化が起こります。銀を含む薬や鉛の摂取によって、歯肉に灰色の変色個所が現れます。抗生物質のミノサイクリンは骨を変色させ、歯の近くでは灰色や褐色に透けて見えます。褐色の変化は遺伝性で、たとえば黒い色素の沈着は、肌の色が濃い人や地中海沿岸地方の人に特に多く発生します。

全身疾患の徴候として、口の中の変色が生じることもあります。たとえば貧血があると、口の粘膜の色は、正常な人の健康な赤味がかったピンク色ではなく、白っぽくなります。また、ウイルス感染症のはしか(麻疹)では、ほおの内側に斑点が現れます。この斑点はコプリック斑と呼ばれる、赤い輪に囲まれた白い砂粒状の小さな斑点です。アジソン病や癌(悪性黒色腫など)でも口内に変色がみられ、エイズ患者ではカポジ肉腫による紫色の斑点が口蓋に現れます。また、口蓋に発生する小さな赤色斑は、血液疾患や伝染性単核球症の徴候です。