インプラント治療でのリスクファクター
2010. 8.31
インプラント治療において全身疾患、喫煙、肥満、ストレスや食生活習慣等のリスクファクターが存在し、インプラント埋入手術、インプラント周囲組織との適合、メインテナンスなどに影響する。また、適切な治療がなされていない歯周病の存在は感染の原因や咬合の不安定などのインプラント治療の障害となります。

全身疾患
糖尿病…T型糖尿病(インスリン依存性).U型糖尿病(インスリン非依存性)においても末梢血管循環障害や免疫機能障害により術後の治癒不全やインプラント周囲炎への影響が指摘される。

心疾患…心筋梗塞、狭心症、不整脈、高血圧など心疾患の既往のある患者では、服薬に関する情報を詳細に把握し、患者、主治医を含めた3者で情報を共用することが重要である。

骨粗しょう症…顎骨においても骨密度の低下が認められるため、インプラント埋入時や固定期間に十分な注意が必要である。また、骨粗しょう症患者でビスフォスフォネート系薬剤投与患者では顎骨に及ぶ外科治療や抜歯後の骨壊死が報告されており、インプラント埋入手術に影響する可能性がある。

精神的疾患のある人…インプラント治療や術後のメインテナンスに十分な理解のできない精神的疾患がある場合は、慎重に治療を進める必要がある。また、不定愁訴を多く持つ患者や不安がちな患者においても術後にいろいろな問題が生じることがあるため、慎重なインフォームドコンセントが求められる。

生活習慣
喫煙… 喫煙はインプラント喪失の最大の要因である。ニコチンをはじめとする有害物質による末梢
血管障害や免疫機能障害によりインプラント周囲組織に障害をおよぼす。

ストレス…ストレスによるブラキシズムは直接的にインプラント治療の成功に関与すると考えられる。

メタボリックシンドローム…動脈硬化性疾患の危険性を高める肥満を基礎とした複合型リスク症候群であり、その診断基準は脂肪蓄積を必須項目とし、その他に血清脂質異常、高血圧、高血糖のうち2項目以上を有するとされているため、肥満や糖尿病によりインプラント治療の効果に間接的に関与すると考えられる。

局所因子
残存歯を含めた口腔内の因子の考慮が必要となるが、コントロールされていない歯周病、プラークコントロール不良、残存歯の状態、咬合・ブラキシズム、歯槽骨量と密度は配慮すべき項目である。
日本歯周病学会 編
   「歯周病患者におけるインプラント治療の指針2008」より