ビスフォスフォネートで抜歯後に顎骨壊死が起こるメカニズム
2010. 9.30
顎骨壊死とはアゴを形成する口腔の骨、顎骨に発生する骨壊死のことです。血行の問題で、下顎の発生が70%、上顎の発生が30%です。従来は、放射線療法や化学療法を受けているガン患者さんにおいて、まれに報告されていました。しかし近年、多発性骨髄腫、溶骨性ガン骨転移、悪性腫瘍による高カルシウム血症、そして骨粗鬆症の治療にビスフォスフォネート製剤(BP剤)が使用されるようになって、BP剤に関連した顎骨壊死症例の報告がありました。
さらに、抜歯やインプラント治療などの外科処置が契機となっての発生も報告されています。

BP系薬剤の効果は、骨吸収を行う破骨細胞の機能を阻害し、破骨細胞の数を減少させることが主です。
BP系薬剤に関連した顎骨壊死の発生機序はまだ明らかになっていませんが、BP系薬剤の投与により骨代謝回転が過度に抑制され、顎骨において微小骨折が蓄積し、また血管新生も抑えられて骨細胞の壊死に至るという説があります。
→抜歯を行った場合、抜歯窩の治癒に必要なこれらの過程が阻害され、顎骨壊死を起こすといわれています。
また顎骨には咀嚼行為による機械的な負荷が絶えず加わっているため、顎骨はBP系薬剤による骨代謝回転抑制の影響(微小骨折の蓄積)を特に受けやすいとも考えられています。