歯周病患者さんへのインプラント治療に対する考慮
2017. 5.31
歯周病患者さんへのインプラント治療に対する考慮

1) インプラント治療に先立つ歯周治療の重要性
インプラントは口腔内に埋入されると口腔内の細菌による感染にさらされます。インプラントと上皮の接着機構は上皮付着の深部のみで形成されており、インプラントポケット底近くには認められないため外来因子が組織内に移行しやすく天然歯と比べ感染に対する抵抗力が弱くなっています。歯周病罹患患者さんおいてはインプラント周囲発症率が非歯周炎患者さんより有意に高いことが報告されています。また、インプラント周囲病変の病原細菌は歯周病の病原細菌と同じ嫌気性グラム陰性菌であり、これらの細菌が天然歯の歯周病部位から伝播、感染することが示されています。このような事実からインプラント埋入前には残存歯に対する歯周治療を行うことが必要です。
2) インプラント周囲粘膜炎・インプラント周囲炎に対する注意
プラークコントロールの不良な歯周病患者さんに対するインプラント治療後には歯周組織と同様に炎症が惹起され、歯肉炎や歯周炎と類似したインプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎が生じることがあり、細菌感染したインプラント周囲からは同一口腔内の歯周ポケットに存在する歯周病原細菌が検出されています。
3) インプラントへの外傷に対する注意
インプラントに細菌感染と過度の外傷力とが同時に作用した場合に、急速にインプラント周囲組織の破壊が生じてしまいます。したがって、歯周病患者さんに対してインプラント治療を行う場合は欠損歯数や欠損部顎堤の状態の他に歯周病のリスクファクターに対する管理とインプラントに対する管理が必要となります。

上記のことから当医院では歯周病の状態をみながらインプラント治療を行っています。